フランスの石板 |

前回は、手荷物で大事に抱えて帰ったのに、一枚はヒビが入っていました。
しかし、今回もやっぱり買ってしまった。
前回は大きめの物を5つでしたが、今回は、小さめのヤツを7枚にしました。
パリの空港とホテルの間を移動する手段として、タクシー、バス、郊外線という3つの方法があります。この並びは、金額の高い順です。
そしてその順番は、「荷物を持って歩かなくても良い」順番とも言えるでしょう。
ブラボーの泊まったホテルは、郊外線との連結も比較的便利であったので、ギリギリまで、バスか郊外線かを悩みました。
しかし、最終的に、荷物の重さと地下鉄の込み具合などを総合して考え、郊外線で空港まで行く事に決めました。
地下鉄から郊外線への乗り換え通路は、思ったよりも階段が多く、キツかったのですが、乗ってしまえば、あとは空港内に在る駅に到着するのです。
いや、するはずでした・・・。
乗ってみてから気付いたのですが、このB線という郊外線は、空港の5つくらい前の駅で二股に分かれています。
以前、何も考えずに乗った車両が、すんなり空港に行ったので、全く警戒していなかったのです。まあ、大丈夫でしょ、と安気に構えていました。
遂に分岐点の駅が来て、「次の駅が○○だったら正解。」と乗り続けていました。
答えは、「ブッブーッ!」。
駅の名前を見た瞬間に「ハッ!」とした顔をしたら、正面に座っていた黒人のムッシュが「ああ、やっぱりね、そうだと思ったよ、あんたの荷物を見てそうだと思っていたよ。」と、全てを悟った「気の毒に」という顔をして、出口を指さしました。
そして、慌てて立ち上がった瞬間、膝に乗せていた手荷物用のバッグが「ゴトン!」と音を立てて床に落ちたのです!
「ああ〜!石板が入っておるのに〜〜!」と思いましたが、降りるしかありません。
「時間はあるから大丈夫!」と自分に言い聞かせて、とにかく、ひとつ前の駅に戻らなければなりません。
「反対側のホームへ!」と振り返ると、郊外の田舎駅なのに、中途半端に大きくて、ホームが全部で3本あります。
ここで、間違うと、今度は取り返しがつかないかも知れません。
荷物を抱え、階段を降り、地下道を通って、隣のホームへ上がりました。
そこに居た若いオネエちゃんに「空港へ行きたいんですけど」と話しかけると、さっきブラボーが降り立った、あっちのホームだと言うのです。
そりゃ絶対ウソだろう!と思いましたが、何度もホントだと言うので、仕方なく、再び階段を降り、元のホームへ上がりました。
そのホームの端っこに、男の人が居たので、ゴロゴロ荷物を引っ張って近付き「空港へ行きたいんですけど」と話しかけました。
「ああ、空港ね!間違ったんだね!ボクはそんな人は何人も知っているよ!任せておいて!」ってな調子で、先ほどのホームから乗って一駅で降りて、反対ホームに渡って、空港行きに乗りなさい、と教えてくれました。
そして、再び階段を降り、先ほどのホームへ・・・。
も、も、もう、息も絶え絶えです。乳酸が出ていない振りもできません・・・。
郊外線を使って空港に行けないほどの荷物ではない、と判断しての事でしたが、そこには「階段を3度も昇り降りする」という設定は存在していませんでした。
先ほどのオネエちゃんは、「そうよ、ここで良いのよ」とうなずいています。
そして、罪悪感を払拭する為か、次の駅に着いたとき「ここで降りて、あっちのホームよ」と親切に世話を焼いてくれ、ブラボーに「ありがとう」と言わせて、満足そうに去って行きました。
全部、ブラボーが悪いんだけどさ・・・。
無事、空港でチェックインし、手荷物だけになった瞬間に、荷物を開けて、石板をチェックしました。
「あぁ〜良かった、割れてない〜!」
こうして、この石板達は、無事、Fabrique の店頭に並ぶ事が出来たのでした。
事前にしっかり「チェック!」・・・ですね。