パリのブロカント |
アンティークと呼ぶほど古くない時代のものを「ブロカント」と言う、ということは、先日書きましたが、ちゃんと覚えましたか?
ここ、テストに出ますよ〜。
さて、雑誌のパリ特集などには、可愛いカフェオレボウルの写真が写っていたりしますが、パリに、蚤の市に、行きさえすれば、それらと出会えるか、というと、全くそんな事はありません。
短い旅行期間では、あらゆる蚤の市に、週末ごとに足を運ぶなんて事は不可能です。
そんな時に、プロが集めた「堅い」ものに、ある程度確実に出会える場所があると、助かります。
それが、平日もお店を開いている、街中の「ブロカント」のお店なんですね。
もちろん、お値段は割高になりますが・・・。
中でも、ありとあらゆるパリ特集で、必ず紹介されている、超有名店があります。
このお店には、ブラボーは過去3回行きましたが、これがもう、ことごとく、ひどい扱いを受けるのです。
フランス人は、「その日の気分で対応が変わる」と言われていて、例えば、恋人と喧嘩中とかそういう事で、接客態度もまるで違うのだと聞きます。
しかし、この店のマダムは、違います。 ブラボーにだけ、感じが悪いのです。
ブラボーとの差を見せつけるように、他の客には、ますます親切に振る舞います。
他のお客さんには、ニコニコと、聞かれもしない事まで喋っています。
初めての時は、「常連さんなのかなあ」と思いましたが、「ボンジュール」にも「ありがとう、さよなら」にも答えない人は珍しいので、「感じ悪ぅ〜、そりゃ何にも買ってないけどさ〜」と、ブツブツ言いながら店を後にしました。
二度目の時は、営業時間中でしたが、用事で出掛ける所だったようで、「ノン!」と言われただけで、お店にも入れさせて貰えませんでした。 ま、これは用事だから仕方ないか、と思い済ませました。
そして三度目が昨年。
明らかに、他の客数人も観光客です。英語も交えて、ハイテンションで説明をしたりしています。
なのに、ブラボーが「コレは、一枚が6ユーロですか?」と尋ねると、チラッと見て「ウイッ」と短く返事。
「スミマセン、これは幾らですか?」と尋ねると、「サンク(5)」と短く返事。
これは、ブラボーが尋ねられて「500」とだけ答えるようなものです。
「せめて、円をつけろや!」って思うでしょう。 せめて「ユーロ」つけろや〜、です。
ここのマダムは、高いものも買わないのに「観光」にやって来る、日本人の女の子がキライなのかも知れない、と思いました。 (あ、ブラボーは、自分を「女の子」だと思ってるわけじゃありませんよ。)
だったら、日本の雑誌の取材、受けんなや〜! そういうのを見て、やって来る女の子達が、どれ程の緊張とワクワクを胸にここまで来とるか、分からんのか〜っ! ・・・と、言ってやりたいけど、今回も何も買わないので、黙って退散。
いつか、オカネを払う日が来たら「アナタは、日本人がお嫌いなんですか?だったら、もう日本の取材は受けられない事をお勧めします。」と、言うたる、言うたる、仏語、暗唱して、言ってやる〜!と、思いました。
そして、今回、4度目のチャレンジ。
ブラボーは、オバハンなので傷付かないし、利用できるものは利用するので、一応のぞいてみるのです。
今回は、今までと違って、「これ良いな」というモノが見つかります。 遂にオカネを払う日が来たか、と思います。
しかし、敵も値段に「ユーロ」をつけて来ます。
そして、どうにも今回は、もの凄く優しいのです。 あるものを選んでいたら、「こっちの引き出しにもあるわよ」と言い、お金を払って帰りかけると、呼び止めてお店の名刺を渡し、ついには「オマケ」までくれました。
何度も、お礼やら、さよならやらの、挨拶を交わし、お店を出たブラボーの口から出た言葉は、「恐〜」。
あれから色々考えました。「何故?何が違うの?」と。
そして辿り着いた、ひとつの答え。違うのは、ブラボーの髪型です。
今までは、いつでもブラボーはおダンゴ頭でした。 しかし、今回は髪の毛を下ろしていたのです。
もしかすると、おダンゴ頭をした、ブラボーのダミーがパリに居て、あのお店で暴挙を繰り広げているのではないだろうか・・・。
日本人の夢見る乙女達が、傷付いていないのであれば、それで良いのです。
次はまた、おダンゴ頭でチャレンジしてみようか・・・。