ヘルシンキ アパート生活 |
初めて個人でホテルを取って旅をするようになった25年前辺りは、FAXでホテルに宿泊希望を送る。
時差を考えて、向こうが活動をしている時間帯に送るように努める。しかし、相手から返信FAXが届くのは、こっちは真夜中、電話の音にドキ〜!みたいな。
ネットは時間を気にしなくても良いし、手を患わせない分、割引きも大きかったり、利用者のレビューを読むこともできますし、写真を何枚も見る事も可能です。
しかしまぁ、この「写真」に関しては、載せられているのが「ベストショット」で、実際は3割引き、くらいの感覚で捉えた方が良い、とブラボーは思っています。
さて。アパートタイプというのは、若者のグループや家族数人で利用する、という場合も多いので、寝室となる部屋が複数個ある所も多いのです。
そんな先入観からか、アパートタイプを選択した時、一番長い泊数を過ごすこの街では、別々のベッドルームでくつろぐ、というイメージを膨らませていたのです。
ところが、予約が成立し、AOKさんにご報告した直後。
「ちょっと!新婚さんくらいの距離で寝るベッドの写真が出てるんだけど!?」と、メールが届きました。
「げ・・・」
かくして、いつも一人で伸び伸びと寝ているブラボーは、親しくして頂いているけれども、それでもお客さまのAOKさんと、「新婚さんくらいの距離」で4夜を過ごすこととなったのでした。
A棟地下のランドリールームには、ドラム型の洗濯機が3台。
有料だったかなあ。覚えていませんが、洗剤は自分で用意しなければなりません。
ここには、バスタオルとバスマットの替えも置いてあるので、洗濯しても乾かなければ、新しいのを使う事ができます。
トイレやシャワールームの写真を撮るのは、ブラボーの趣味だ、と以前申しましたが、ここのアパートでは撮っていません。
なぜか。
余りに狭い驚きのバスルームで、ブラボーは落胆し、記憶から消し去ろうと思ったからなのです。
ヨーロッパには、昔修道院だったとか、お金持ちの洋館だった、みたいな建物を、無理矢理利用しているホテルも結構あるので、「雰囲気の良さ」を優先すると、ビックリな水回りに出会うのです。
ブラボーの不快ナンバーワンは、50センチ四方ほどしかないシャワーの水を受けるトレイの中で、水を散らさないように、ショボショボとシャワーをする。とてつもなく気を遣っているのに、どうやっても、あまり清潔とは思えないシャワーカーテンがお尻に貼り付く、という、最悪な環境で、ブラボーは、どんなホテルに当たろうと、この時の事を思い出して「アレよりはマシ、アレよりはマシ」と、つぶやくのでした。
さてそこで、このアパートのシャワーですが。
足下のトレイはなく、トイレの横に80センチほどの空間があり、上にカーテンレールが付いている。そこがシャワースペースなのです。
どんなに努力しても、シャワーカーテン内に水を治めることなんて不可能でした。
しかしね。
ここはアパート。滞在中は、掃除も自分たちでしなければなりません。
ですから、そのシャワールームには、床の水分を切るスクイジーが置かれているのです。
もうカーテンも閉めることなく、思い切り、気持ち良くシャワーを浴びます。
そして終了後、サササ〜っと床の水を排水溝に集めると、あっっっと言う間に、床はキレイに乾くのでした。コレはなかなか楽しかった。
何と言っても、この国の乾燥はもの凄かった。
ニッコリと笑うと、まるで「ギズモ」のように顔に筋ができたまま戻らず、「ああ、この国では、シャワーの時に石鹸で洗ったりしてはいけないんだわ」と気付いたのは、3日目くらいの事でした。
お風呂好きの日本人にはなかなか難しい事ですが、シャワーは必要無いのかも知れない、この国には。