パリで贅沢 |
さて。この写真は、日本でもすっかり有名になった、オリジナルトートバッグを持った方もよく見かける、フランスの高級バターブランド『エシレ』の無塩バター(左)と、ボルディエバター(右)です。
ブラボーは、食べ物を残す、捨てる、という事を好みません。
従って、食べきれないと思われるものには、基本的には手を出さないと決めています。
なので、一人で旅をしているときは、バゲットを買うという事はありません。
大好きなフランスパンですが、一人で一本は、無理。
他にも食べたいものがありますしね〜。
ですから、クロワッサンとか、一度に食べきれるものを選ぶ事が多いのです。
しかし、今回は、行く前から決心をしていました。「贅沢してやる」と。
金額的な事を言えば、フランスパンを一本買う方が、クロワッサンを一個買うよりも、ずっと安いのです。
ですが「捨てる覚悟」ですから、ブラボーにとっては、心がキューッと痛む程の贅沢です。
これは、かの有名な「ローズベーカリー」の道を挟んだお向かいにある、アルノー・デルモンテさんの「ルネッサンス」という名前のバゲットです。
このバゲットで、数年前、その年のバゲットパリ1番に輝いたそうです。
このお店のある通りは、ブラボーの記憶が正しければ、映画『アメリ』で、アメリが、目の見えないおじいさんを幸せにした場所だと思います。
生地屋やボタン屋の多く立ち並ぶモンマルトルから、この道を下って行くと、これまた有名なデパート「ギャラリーラファイエット」があります。
ブラボーは、ブランドものには縁が無いのですが、久しぶりに「ラファイエット・オム」紳士物売り場へと行ってみました。
ここの靴下売場には、可愛いデザインのものがあるので、義兄弟へのお土産を探します。
と言っても、「不景気」と言われるようになってから、靴下も無地とか無難なモノしか見つからなくなって、しばらく行ってなかったのですが、今回は思い立って覗いてみたら、ありました。
フランスも景気が回復してきたという事でしょうか。
フクロウの好きな義兄と、魚釣りの好きな義弟に。
そして、この建物の2階が「ラファイエット・グルメ」で、有名パティシエのお菓子から地方のチョコレートまで、何でも揃うのです。
ここで前述のバターを購入。これらも「置いて帰る覚悟」の、大贅沢です。
何故、2種類買ったかと言えば、実は、フランスでは「ボルディエの方が美味しい」と言われてるらしいからです。
そして、困った事に、ボルディエは、オリジナルで「海藻入り」とか「柚子入り」とか、いろいろな種類がありました。
同じプレーンなモノを比べる、という生意気な事はせず、エシレはプレーン、ボルディエは「くん製塩」入りにしました。
さて、お味はと言うと。
バゲットルネッサンスは、そりゃあもう、美味しかったです〜!外側の固さ、パリパリ感、そして中のしっとりとした粘り。それだけでもう、何も要らない。バターも、あ、言っちゃった。人生で一番美味しいバゲット!
エシレバターは、正直良く分からない。ブラボーのような者には、バターを評価する基準が分からない。だって、どれも美味しいと思うんだもの。
そして、ボルディエは。
塩のくん製なんて、ビックリです。塩気も多いけど、不思議なくらい、サラミとか食べてるようなくん製の香りがするんですよ〜。塩なのにね。
まるで「焼き肉味のふりかけ」みたいな感じで、焼き肉を食べてる気分で、おかずがなくてもご飯が進むみたいな?とにかく、ちょびっとで、パンがいくらでも進みます。
更に最後の夜には、これまた贅沢に「マックスポワラーヌ」のカンパーニュを購入。
「ポワラーヌ」は、パリの超有名パン屋さんですが、創業者の二人の息子の兄がやっているのが「マックス・ポワラーヌ」。
兄の方が、何故だか分家的な感じで、郊外にあり、しかも、この2軒は対立関係にあるのだとか。
兄弟は仲良くしなきゃ、ダメだよ〜。
そして、マックスの方が、創業者の味に近いと言われているとか。
このカンパーニュは、直系40センチくらいある、デッカイものなんですが、ブラボーは、1/4を購入。
これは、非常に酸っぱく、ワインに合いそうなパンなので、バターを付けると、酸味が丸くなって、非常に美味しかったです。
本家のカンパーニュを最後に食べたのは、15年以上前だし、もちろん両方並べて食べたって、どちらが美味しいとか、ブラボーにゃ分かんないんですけどね。
パリで贅沢な食事、なんて言うと、三つ星レストランでフレンチ、とか想像されるかも知れませんが、ブラボーにとっての、最高の贅沢。
ささやかですが、幸せな思い出です。