ポワラーヌのガレット・デ・ロワ |
気になるお店を幾つか見て回った辺りで、11時半になっていました。
しかし、今日はまだまだ回るべき場所が、山のようにあるので、ゆっくりご飯なんて、食べている暇はありません。
なので、超〜有名パン屋さんの『ポワラーヌ』で、リンゴのタルトを買って食べる事にしました。
ポワラーヌは、直径40センチはあるだろう丸くてデッカイ田舎パンが有名です。
最近では、それを薄くスライスした物が、スーパーでも買えますが、パリ初心者の頃、ドキドキしながら、この小さな本店で、「ドゥミ(半分)」とか「カー(1/4)」とか言って、切ってもらっていたものです。丸ごと抱えて日本に帰った事もありました。
でも、今回はリンゴのタルト。
買ってすぐに近くの公園のベンチで食べると、それはもう、「アゴ必要なし!」っていうくらい、軽く軽くサクサクサクとしたパイ生地がとろけるように美味しいのです!
でも、ブラボーが目を奪われたのは、こちらっ!
「こ、これは、ガレット・デ・ロワではありませんかっ!」思わず食い入るように見るブラボー。
ガレット・デ・ロワとは、キリスト教行事のひとつ「公現祭」に食べるお菓子です。
基本的には1月6日なのだそうですが、1月中なら、ケーキ屋さんやパン屋さんで、売られている、と噂には聞いていましたが、1月にパリに行った事のないブラボーは、このお菓子に出会った事がなかったのです。
今日は1月31日!滑り込みセーフじゃんっ!と、思い切って一番小さいホールのを買う事にしました。7ユーロ、1250円、ちょっとした贅沢です。
このお菓子には、紙製の王冠が付いて来ます。
お菓子の中に「フェブ(そら豆)」と呼ばれる陶器のオブジェが入っていて、切り分けられたケーキの中に、フェブが入っていた人がその日の王様となり、祝福され、1年幸運が続くと言われているそうです。
映画『シェルブールの雨傘』で、フェブが当たって王冠をかぶる、美しいド・ヌーヴの姿が思い出されます。
一日中、「夜、コレを食べる」事を心の支えに歩き続けました。
ブラボーは、丸ごと自分のなので、フェブはブラボーの物と決まっていますから、最初から冠をかぶってケーキに挑みます!
しかし、なんでしょ、これ。
ただのパイ生地だけのように思えるのですが・・・。
このケーキはアーモンドクリームが入っているものなのです。
お店の人も「ノワゼット」と説明してくれたので、入ってるはずなのですが。
入れ忘れた?そんなババをブラボーは引いたの?入ってるの?これ、入ってるの?
食べてみてもよく分からなかったけれど、ちょっと不完全燃焼。
でも、フェブは入っていました。
フェブはお店によって色々で、コレクターも居るそうです。
こちらは、ポワラーヌ 2008と書かれている、今年のオリジナルですね。
表には、田舎パンを横に置いた老婆?が後ろ向き姿で「私たちの丸パン、美しくないですか?」と問うております。
しかし、MICHE(大きな丸パン)には、「お尻」というスラングがあるので、それとかけて「私のお尻、キレイ?」と言ってるわけですね。
あまり、祝福されそうにないフェブです・・・。
しかも、このフェブを、ゴミと一緒に捨ててしまった事を、翌日気がつくという失態までしてしまったので、今年のブラボーは幸運とは縁がありそうにありません。