『日暮らし』 |
それでも、やっぱり「誰でも出来る」ではなく、「やるべくして、やっている人」がいらっしゃるわけです。
この『日暮らし』の制作者、佐野明子さんがそう。
絵が描ける、文章が書ける、写真がうまい、センスがある。いえいえ、それだけでは、この『日暮らし』は生まれないのです。
「毎日を丁寧に暮らす」という、当たり前のようで、一番難しい事が出来ていなければならないのです。
そして、明子さんが「毎日を丁寧に暮らす」事ができる根底にあるのは、建築家のご主人、二人の娘さんに対する、深い愛情。
大切な家族を想って、よい食材を揃え、キチンとお弁当を作る。
「自分だけ」を「テキトーに」生かしておけばいいブラボーなんかには、到底真似のできない暮らしです。心から尊敬してしまいます。
ブラボーほどではないにしろ、きっと、そういう暮らしに憧れながら、実行できない人が沢山いるから、この『日暮らし』は続ける事が望まれて、号を重ねて来られたんだと思います。
季節に1号、明子さんがお一人でパソコンに向かい、紙を折り、ホッチキスで留め、
『日暮らし』は出来上がります。
出来上がって行く過程もまた、ゆっくり、大切に、丁寧です。
この度、Fabrique 451 でも『日暮らし』を扱わせて頂く事になりました。
もう既に5号まで出ていますが、バックナンバーも揃っております。
折よく、新しい年を迎えました。
『日暮らし』を読んで、「今年を丁寧に暮らすヒント」を見つけて頂けたらな、
と思います。