売る、売らない、結末 |
最後の1つとなったお手玉バッグを、勇気を持って店に運び、朝パチリと撮影。
これが、お嫁入り前最後の写真になろうとは・・・。
お買い上げ下さったのは、有名な布作家のTさまです。
布作家さんなのですから、ご自分でも作れるでしょうに。いえいえ、だからこそ、お目が高い!布作家さんから見ても、充分ご満足頂けるお手玉バッグだったのでした。
仕立ても丁寧、裏布とのコントラストも美しいです。
ご来店頂いたのは、閉店30分前くらいだったでしょうか。
楽しくお話させて頂いていたので、時間を忘れ、帰られてから時計を見たら、7時10分でした。という事は、つまり・・・。
Tさまは、お買い上げ商品をレジまでお持ちになり、ブラボーが計算をしているその間に、ブラボーの背後に掛けてあったお手玉バッグと「目が合った」とおっしゃって、即決でお買い上げくださったのです。
まさに、「ロスタイム残り5分での大逆転」と言った感じでした。
例えば、カフェだったら、閉店時間の30分くらい前に「オーダーストップ」という時間があります。
これは、オーダーストップの時間に入られたお客さまの注文はお受けするわけですから、作る時間を入れると、そのお客さまが楽しんで召し上がるまで、かなり閉店時間を延長することになるでしょう。
「早く風呂入って、ビールをカーッとやりてぇなあ!」と思っていても、じっと待つ。これが、カフェをやっている者の宿命なのです。
しかし、一方で、幸か不幸か、オーダーストップの時間に、店内にどなたもお客さまがおられず、新たなお客さまが来られる様子も無かったら。いつもより、30分早く仕事を終え、お風呂に入って、ビールをカーッとやる事が出来るのです。
ところが、雑貨屋はそうは行きません。
特に、Fabique451のような小さな店では、店内をグルリと一周するのに、10秒掛からないのですから、「最後の3分で貴重な追加点」ということだってあり得るのです。
ですから、閉店時間まではじっと待ちます。ひたすら真面目に。
目指して来て下さるお客さまがいる限りーっ!
「もしや、ロスタイムにオウンゴールじゃないだろうな」とくるくるに言われました。
いいえっ!ちゃんとお嫁に出しました、出しましたともっ!