『きみの町で』 重松清+ミロコマチコ |
NHKでは堤真一、TBSでは内野聖陽が泣かせてくれた、あのドラマの。
その重松さんが監修されたという『子ども哲学シリーズ』。
その各シリーズに一つずつ「おまけの話」としてつけられていた物語を、ミロコマチコさんの挿絵を付けて絵本として出版されたのが、この『きみの町で』なんだそうです。
ミロコマチコさんは、先頃「情熱大陸」で取り上げられ、番組の中で紹介された本の出版を待たれている方も多い旬な方ですよね。
さて。哲学というのは、疑問を持ち考える事です。
自由ってなんだろう。幸せってなんだろう。生きるってなんだろう。
そう問いかけられても、なかなか正面から考える事はできません。逃げてしまいます。
しかし、具体的な場面に遭遇した時、人は自然に「なぜ?なに?」って考えてしまいます。
子どものための哲学シリーズの「おまけの話」ですから、お話しの主人公の多くは小学生です。
小学生の直面する「なぜ?なに?」は、胸がキュンキュンします。
つまんない事だよね、と思いながら、その事に本当に悩んだり傷ついたりする気持ちが分かるから。
それは大人になってみると大した事じゃないよ。とか、こう考えれば、こうすれば、上手にかわすことが出来るよ、とか教えてあげたくなります。
でも、自分で悩んで、自分なりの答えを出していくことが、心を鍛えるという事なんですよね。
心の筋肉を付けて行かないと、強い大人になれませんからね。
それにしても、さすがは重松清氏、泣かせます。泣きました。店で立ち読みですが、泣きました。
甥っ子に読ませてやりたい。もちろん買いますよ。こういう時は。
そして、心の筋肉を付けた大人になって行って欲しいなあと思います。