『花の妖精たち』 愛蔵版 |
ピンクの砂糖菓子色の扉のむこうには、間違い無く、美しい花と可愛い妖精の世界が広がっている、と確信できます。
ほんとうはね。
例えば「天狗」も妖精なんですって。もしや「河童」も?
妖怪というか、こびとと言うか。水木しげるの世界。
その方が、本来の「妖精」のイメージに近かったのだそうです。
それを、「妖精」と聞けば、ティンカーベルのような姿のモノを思い浮かべさせる基となったのが、イギリスのシシリー・メアリー・パーカーの『花の妖精』。
今から100年近く前の事です。
どちらが正しい、なんて、正解はありません。だって、誰も見た事が無いんですからね。
だったら、可愛いのが良いじゃないですか!
夏の花の妖精たちです。
野生のクレマチスに野バラの妖精。
シシリー・メアリー・パーカーの絵の大きな特徴のひとつが「忠実に描く」という事です。
もちろん妖精は見えませんが、近所の子供達に実際にそのような格好をさせて描いたそうですよ。
「近所」に、こんな美しい子供達がゴロゴロ居ることが、さすがはイギリスですね、って感じで驚きだったりもするのですが。
そして、植物の方もとにかく「忠実」です。
ボタニカルアートとしても優れていると言われるほどなので、植物図鑑としても役立てそうです。
岡山の野山を歩いて、イギリスと同じ植物を見つけられるのかは定かではありませんが、植物図鑑代わりに手に持って歩けば、季節の植物と共に、妖精たちも見つけられそうな気持ちになります。
『愛蔵版』は、絶版の8冊を全てまとめたという、ファンにはたまらない一冊です。
8冊揃えるよりもお安く、しかも元の本よりも大きくなっていますので、現役少女にも、目が怪しくなってきた元少女にも、ありがたい仕様となっております。
写真には撮れませんでしたが、横から見ると、ページの端が銀色になっており、愛蔵版らしさに余念がありません。
自分用にも持っていたくなります。同世代のお友達、お母さん世代の乙女心も呼び覚ましてくれるプレゼントにもオススメです。
そしてもちろん、アニメキャラに脳を占領されている現役少女達にも。
こんな美しい世界があることも知っていてもらいたいな〜。