パリで食べたもの その3 |
ビオとは、自然食の事で、パリでも数年前からブームです。ビオの食材が集うマルシェで、ゲランドの塩の花を買おうと思っていたのです。
ゲランドとは、フランスブルターニュ地方にある土地で、1000年も前から自然の満ち引きを利用して塩が採取されています。濃くなった海水にふわりと最初に浮かぶ「塩の花」。それを丁寧にすくいとっているのだとか。
カフェZ界隈には、食通の方が多いので、この塩をお土産にしようと張り切って行ったのですが、想像以上に重たくて、ぐっと数を減らす。一つは少し軽いバジルソルトに。そして残りは軽い、乾燥ハーブミックスになりました。
前日に続き、再びポワラーヌを訪れ、この日はパン・オ・ショコラ。
今では日本でも増えましたが、クロワッサン生地で板チョコを棒状にしたようなものを巻いています。
初めて食べた頃は、日本で「チョコパン」と言えば、チョコクリームのホルンみたいなのしかなかったので、大変な衝撃。
焼き立てに当たると、チョコが溶けていて、冷めたモノは、チョコの固さと生地の繊細さのメリハリが美味しい。
贅沢にもセーヌ川湖畔で頂きました。
続いては、マックスポワラーヌの"grasite"と言う名のパン。
いつも、自分の好きなモノに偏ってしまうので、今回は、全く知らないモノを買ってみようと選びました。
名前に何か意味があるのか、後で調べようと、一生懸命覚えてすぐにメモしていたのですが、辞書では見つからないので、人の名前か何かでしょうかね。覚え違いかも知れませんけど。
名前に手がかりがないので、ブラボーの味覚だけを頼りにしますと、チーズです。
カマンベール辺りかなあ。
結構クサイ。以前、本場で買ったカマンベールは、マジきつかったです。
それがパンの中でとろけてる感じ。甘めの白ワインが頂きたくなるお味でした。
お次はクレープ。
「お祭りでもなければ、日本人は歩きながら食べない」と書きましたが、考えてみれば、クレープだったら日本でも出来立てをすぐに頬張りますよね。
まぁ、そこは、ジョシコウセイとか小さなお子さん達とか、「許される」範囲ってのがありましょうが。
屋台のクレープリーで、特に有名という店は聞きませんが、ここは、ずっと同じ場所で長いことお店を出しているという事で、「信用できる店」みたいに紹介されていたので行ってみました。
ブラボー的には、のだめちゃんがビラを巻いてスキップしたフォーラムレアール辺りから、ポンピドーセンターに向かう途中にある屋台が美味しかったと記憶しています。
この屋台は、サンジェルマンデプレ教会の横にあります。
起源が6世紀、今の建物が11世紀という、驚異的な古さの教会です。
教会をバックに、シナモンシュガーのクレープ。
焼いた兄ちゃんが若いせいか(←偏見)、味に深みのない、記憶に残らぬお味でした。
パリネタを引き延ばすも、実は4泊6日の旅ですので、早くも最終日。
後日改めて、語らせて頂きたいのですが、この日、ブラボーは重要な目的地に到着できませんでした。
行く予定のなかった北駅。
策が尽きて、気分を変えたいときには、好きなオヤツ。
「ポール」は、今や日本でもあちらこちらに出店していますが、パリでは「石を投げればポールに当たる」と言われるくらいに、どこにでもあるパン屋さんです。
しかし、それほど増えるワケは、もちろん「美味しいから」。
北駅構内のポールで、ショソン・オ・ポムを頂きました。
またまたクレープです。
しかし、この屋台はクレープだけではありません。
このムッシュは、それを一人でこなすのです。
まず、チュロスという細長い絞り出しのドーナツ。
注文が入ってから、油の中に絞り出します。
その間にホットドッグ。これは、ソーセージをお湯の沸いた鍋に入れ、片方の先だけを切ったフランスパンを、金属の棒に挿します。パンに突っ込まれた棒で、パンの内部を温め、そしてその穴には茹で上がったソーセージが入れられるのです。
続いてパニーニをプレス機に挟み、そして、ブラボーのクレープを焼き始めるのです。
その頃、最初のチュロスが揚げ上がり、サッとお砂糖にまぶしてカップに入れてお客さんに。
急いで戻ってブラボーのクレープを仕上げると、穴の空いフランスパンにソーセージを詰め、ケチャップとマスタードを流し入れたら、パニーニをプレス機から取り出します。
こんなに仕事の出来るフランス人、ブラボーは初めて見ました。オット失礼。
ずっと眺めていたいけど、そうもしていられません。
何故なら、この屋台があるその場所は・・・。
エッフェル塔の全景を美しく見ることができる、シャイヨ宮の前なんですから。
予定通りに事が進まず、クサクサしたときは、エッフェル塔です。
彼女の姿を見れば、全てが帳消しになりますからね。
選んだクレープは、フランスで一番ポピュラーであろう、ヌテラ。
ただのチョコクリームではなく、ヘーゼルナッツペーストが入った、老いも若きも愛してやまないと言われているヌテラです。
手早い仕事のせいか、繊細と言うよりちょっと分厚めのクレープが、サクサクとした歯ごたえまであって、とても美味しかったです。
やはりムッシュ、人生の厚みがあるよ。
そして、シャイヨ宮から歩いてエッフェル塔の下まで行くと、ここにも屋台などが沢山あります。
これは食べたことはなく、隠し撮りですが、言わずと知れた綿菓子です。
多分、ブラボーの頭よりもデカイです。
味は恐らく、日本のと変わらないと思うんですけどね。
日本のも、これくらいデッカクしてくれると、夢があると思うのですが。
フランス語で綿菓子は“BARBE a PAPA”。
お父さんのあごひげ、という意味ですが(サンタクロースみたいな?)、色と形からもお分かり頂けるように、バーバパパです。
いくら観光地でも、いくらクレープを歩きながら食べる事ができても、綿菓子までは食べながら歩く勇気がありません。それじゃあ、あんまりにも痛いオトナって気持ちになります。
こればっかりは、多分、どれだけパリに馴染んでも無理でしょう。
パリ最後のオヤツは、ポワラーヌのタルト・フラン。
エッフェル塔最寄りのメトロ駅ビルアケムで乗っちゃうと、このポワラーヌには出会えません。
次の駅まで歩く途中にあるんですよね。その為歩く。
このタルト・フランは、ブラボーがまだ若かりし頃、ポワラーヌで初めて買って食べたものです。
その頃は知識も少なくて、取り敢えずポワラーヌというお店で何か買うというのが目的でした。
知らないからって、どうしてパン屋でパンを買わないんだろう、って我ながら思いますけど。
フランは、タルトに入れて焼いたカスタードです。
クラフティとの違いは、タルトの有無ですが、クラフティの方が、フルーツなどの水分も加わってか、生地が柔らかい印象ですね。
今なら、薄く敷かれたタルト生地が、あのサクサクのパイである事とか、ポワラーヌならではのフランの美味しさが分かるのですが、あの頃は「ただ素朴なカスタードの塊じゃん???」としか思えなかったのを覚えています。
ポワラーヌに始まり、ポワラーヌに終わったブラボーの買い食い。
と言っても、食べたものネタは、まだまだ続きます。 a bientot !